94' 10/31 ~ 95' 2/1 ・・・ (7) ・・・ 『再び始まった“いじめ”』
9月からの皆の態度がガラリと変わった。
「移動教室、一緒にいこう。」
「手洗いに行こう。」
などと、急にベタベタしてくるようになった。
『友達』
『仲間』
『クラスメート』とか、
なぜかそのような言葉が多くなり、逆にそのようなことが、すぐに消えてなくなるような不安でいっぱい。
実際、まもなく私の足元から、ガラガラと音を立てて崩れていった。
そう、そんな取って付けたような友情なんて一ヶ月間で終わってしまったもんな。
努力して、せまくても良いから、しっかりと安心して立てる足場探しもしてみたい。
まったく中学校生活のサバイバル・ゲームのようなものだったかな。
偽物の『仲間・友情』が跡形もなく消えさったのが9月の下旬。

すごくワガママな原サチが原因で、まったく嫌になってしまう事がもちあがってしまった。
原の好きな人が私の隣の席にいる、『橋本健二』くん。
中間テストまじかだった社会科の時間で、テスト近くの社会の時間は、自習が多く自由に好きな人と問題を出し合いするのが、おもな授業内容だった。
それまで隣にかたまっていた男子軍団に押し出されそうになりながら一人でポツンとやっていた。
そんな時、原に誘われて、何人かが集まり勉強がはじまった。
皆とワイワイしながら触れ合いというのか、そんな事がとても楽しみにしていたし、本当、楽しかった。
その時、私はあいていた隣の橋本くんの椅子に座り、私の椅子に阿部さんが座った。
なんとなくそうなったので、なにも意味なんてない。
すると原サチが急にこわばった顔で私をにらみつけ「うち、やっぱりやらないわ。」とクルリと背を向け前に座っている長谷川達に、なにやらヒソヒソと、ときどき盗み見するような感じで私の顔を見ながら言っている。
「うわぁー。」
「なに~、それ~。」
と、時々部分的に大きい声で、そしてヒソヒソ話。
橋本くんの席に座ったので『嫉妬』したみたい、中学生らしくないよなぁ、こんなの。
結構、橋本くんとは席が隣、班が同じとか、何かの係りのとき一緒とかだったりするけど、別に特別な感情なんて持ってないのに。

原が橋本くんの事、好きなのを知っていて、わざと『やきもち』をやかしたり、嫌がらせしているようにとったみたい、そんなに性格悪くないって!そんな事でムチャ怒ってたんだ。
だって今も何でそんなに怒らなければならないか分からない。
正常な頭では到底理解できないことと思うけどね。

その時はいったいなんで怒っているのかわからず、勘の鋭い阿部さんに「嫉妬!?」と聞いた。
そうらしいと知って、もう溜息も出ないな。
こんな時どうしたらいいのかな。
とにかく原に「なに怒ってるの」と聞いても、「なんでもないってば」とヒステリックな答えしかかえってこない。
(なんともなくねぇだろう)

「なんでもない」と言いながら結構一方的に「久美子ちゃん橋本くんのこと好きなのか」などと聞いてくる、「ちがう」と言おうとしても、「これ以上何か言ったらマジ怒るよ」と答えさせてくれない。
そして何故か長谷川が原以上に興奮して反発してきた。
長谷川に関係ないのに、とにかくなにかを無理にさがして攻撃しょうとする。
前に先生に怒られたことを根にもっているようだ。
原もそういう気持があるのだろう、私はそう思う。
だって片思いなのだし、中学生には似合わない『嫉妬』だもの、そうしか思えないよ。

また、『いじめ』が、ぶりかえしたかと思ったある日のこと、私が好意を持っている人の名前を、松川恵美が原にバラシたので、原は安心と好奇心でいっぱいになり、また呼びつけていろいろと聞き出そうとする。
何もあの人達に提供するような話など持ってないって。
ただ、「お願いだから、ひろめないでくれ」と頼むだけである。
長谷川は『いじめ』再開のきっかけを失って、また嫌々笑い話かけてくる。
原は私が橋本くんの隣の席なのを利用して、「あの人のシャープの色は?」などと聞き出そうとしてきた。

そして、学校祭の二年生のだし物造形、壁新聞の制作中、原の“異常っぽい片思い”は簡単に終わった。
さっきまであんなに好きだといっていたのに、ほんの些細な事ですごい変わりよう。
相棒の長谷川にすぐ言い長谷川は原以上に燃え上がり、女子全員に橋本くんへの『無視』をよびかけていた。
(馬鹿もいいかげんにしてくれ)
男子には、吉田というイヤな男が呼びかけていたそうだ。
この男は長谷川に色々と情報を提供していた憎たらしい男。
『恋』ってそんなに簡単にさめるものなのかな。
そんなのって『恋』とかいうものではないと思うな。
腕に(橋本)健二の『K』という文字を彫って(机にも)そんな事までして、あっという間だものな、この変わりようはなんだ。
やっぱり全然変なんじゃないかな!?
これで、このドタバタ事件は終わったと思って安心してしまったんだ。
それって『登校拒否』まで行ってしまう第二ラウンドへの予告みたいなものだったんだ。
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by obora | 2008-12-28 00:56
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